犬は人間に比べてよく吐く(嘔吐する)動物だと言われています。
…とは言うものの、飼い主からすると突然、愛犬が急に嘔吐したら動揺してしまいますよね?
犬が『黄色っぽい液体』を吐いた場合は、その液体は『胆汁(腸液)』である可能性が高いです。
犬が吐いた黄色い液体の正体を知り、吐いた原因を考えてみることで、どのように対処すればいいのかがわかります。
わんこが吐くときの特徴
わんこが吐くときは、オエーと吐く前に前兆の行動があります。
吐く直前になると、「ゲボッ、ゲボッ、ゲボッ・・・」と胃袋が収縮して胃の内容物をもみくちゃにしているような音がしてきます。その音がしばらく(10秒間程度)続くと、「オエーーーーッ」と最後に口から吐き出した物(吐瀉物)が出てきます。このとき、必ず吐瀉物が出てくるわけではなく、口からは何も出てこない(何も吐き出さない)場合もあります。
うちのダックス犬の場合は、ゲボッ、ゲボッ、ゲボッ・・・(10秒間程度)・・・オエーーーーッ(物が出てくる)を2回繰り返すことが多いです。
なので、1回吐いた場合は、すぐにもう1回吐くかもと考えて、下に受け皿を置いたり、口を拭くためのティッシュペーパーを準備したりしています。
ただし、必ず2回続けて吐くわけではなく、1回だけの場合もあります。
吐くときの犬の姿勢は4つ足で立ち姿勢で頭をやや下げた姿勢をします。伏せやお座りの姿勢はまずありません。
黄色い液体の正体は何?
犬の吐き出した液体が黄色っぽい場合、その液体は『胆汁(腸液)』である可能性が高いです。
胆汁は、肝臓にて生成されて、胆嚢(たんのう)に一時貯蔵・濃縮されている液体です。
そして、犬がごはんを食べて食べた物が胃を通過して来ると、十二指腸内に分泌されます。
胆汁の色は黄褐色で、役割としては主に脂肪の消化を助ける働きをします。十二指腸に分泌された胆汁が逆流し、胃液と混ざることで、黄色い色になると考えられています。
↓我が家のわんこが黄色い液体を吐いたときの写真です。少し見えにくいですが黄色い色をしています。
↓ティッシュペーパーで拭き取ってみると、より黄色いことがわかります。
黄色い液体『胆汁』をを吐く原因は?
犬が黄色い液体を吐いた場合は、胆汁が出てきている可能性が高いことは先程述べた通りです。
では、胆汁を吐く原因はいったい何なのでしょうか?
原因は大きく2つあります。
胆汁嘔吐症候群
わんこがお腹が空きすぎて、何も食べてないのにも関わらず胆汁が出てしまうために、胆汁を吐いてしまう、というのが『胆汁嘔吐症候群』です。
胆汁は肝臓で作られて胆のうで一時蓄えられます。そして、食べ物が入ってきて、いざ消化するときに十二指腸に分泌されます。食べ物の消化が終わると、また肝臓が胆汁を作って胆のうに貯まります。そして、空腹の時間が長すぎると胆のうに貯まっている胆汁がいっぱいになり過ぎて、十二指腸に出てきてしまいます。食べ物がないのに胆汁が出てくると十二指腸を刺激して、さらにそれが胃を刺激します。それらの刺激によって、わんこが黄色い胆汁を吐いてしまうのです。
このケースでは、わんこは吐いた後も元気食欲があるのが特長です。吐く時間帯は、ごはんとごはんの間隔が一番長くなる朝と夕方に吐くことが多いようです。
膵炎、胆嚢炎の場合
膵炎は、何らかの原因で膵液がタンパク質を消化する状態に活性化することによって、膵臓そのものが分解され炎症を起こしてしまう膵臓の病気です。胆のう炎は、胆のうに石ができたことによって、石の刺激と胆汁酸という胆汁に含まれる化学物質の刺激によって、胆のうが炎症を起こしてしまう病気です。胆のう炎は、細菌感染によって炎症を起こすケースもあります。
胆汁が分泌される十二指腸付近の膵臓や胆嚢が炎症を起こすことで食べ物の消化がうまくできず吐いてしまうことがあります。吐いたときに直前に食べたものを吐き出し、さらに黄色い胆汁を吐くことがあります。
上記以外のケース
腸炎、寄生虫の感染、異物誤飲、食物アレルギー、ストレス、その他の胃腸の病気や急性疾患、など様々な病気や疾患が考えられます。
黄色い液体を吐いたらどうするか?
急を要するケース
わんこが黄色を吐いた場合、胆汁嘔吐症候群なのか、それ以外か、で対応が大きく変わってきます。急を要するのは、胆汁嘔吐症候群以外のケースです。まず、以下のような観点でわんこの具合をチェックします。
- 吐いた後で元気、食欲がない。
- 嘔吐が2回以上、短時間の間で繰り返している。
- 下痢や血便が出ている。
- そわそわして落ち着きがない、いつもは寝ている時間帯なのに眠らない。
(=お腹が痛くて寝付けない。) - 床をペロペロなめる。(普段は床をなめることはやらないのにやっている場合。)
- 前足を伸ばしてお尻を上げる「お祈りのポーズ」をする。
→犬がお腹が痛いときにやる仕草さのようです。
上記が1個でも当てはまる場合は、なるべく早く動物病院に診て頂くことをおすすめします。夜間の場合、動物病院によっては電話での相談に対応してくれる病院があります。不安な場合はまず電話で症状を話し、病院で診てもらった方がいいのか相談してみることもおすすめします。
ちなみに、我が家のわんこの場合は、膵炎で黄色い液体を吐きました。
このときは、黄色い胆汁を吐く以外にも、血便、夜になっても眠らない(お腹が痛くて眠れない)、などの症状や行動がありました。
詳しくはコチラの記事が参考になります。
急を要しないケース
わんこが黄色い胆汁を吐く場合、胆汁嘔吐症候群のように過度の空腹で吐く場合があります。極度の空腹によるもので炎症や疾患ではないので、ごはんを食べれば落ち着くようです。
急を要しないかどうかは、以下の観点でわんこの様子をチェックします。
- 元気、食欲がある。
- 嘔吐は前回の食事以降から今までの間で1回のみ。
- 下痢や血便をしていない。
- その他普段と違う仕草、行動をしていない。
こうした場合は緊急な対応はせずに様子を見てもよいケースです。
ただし、嘔吐はしない方が良いので、ごはんの間隔や回数、量や質などを、極度の空腹にならないように変えてあげる必要があります。
ごはんの回数については以下の記事が参考になります。
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