犬の爪は切りすぎると血が出てくることをご存知でしょうか?
実は、犬の爪は人間の爪と違って皮膚から飛び出している爪の中にも血管が通っていて、誤って切りすぎてしまうと、出血することがあります。
そのため、犬の爪切りは人間の爪切りよりも気を付けなければいけません。
この記事では、自宅での犬の爪切りを切り過ぎないようにやるやり方を解説しています。
犬の爪の切るべき箇所を見極められるようになれば、愛犬にも血を出さずに爪切りできるようになります。
■犬の爪の特長は?
犬の爪は、人間の爪のようにどんどん伸びてくるので、定期的に爪を切る必要があります。
犬の爪は、外で散歩をしたり、遊んだりしているうちにアスファルトや地面によって徐々に削れていきます。そのため、よく外を歩く犬とそうでない犬とでは、爪を切る頻度が変わってくることがあります。
犬の爪は、根元から爪の先まで同じ太さの円柱状の形をしています。
爪の根元付近では、爪の中心部分に血管と神経が通っています。
人間の爪切りと同じ感覚で切ってしまうと、爪の中心部にある血管まで切ってしまい、そこから血が出てくることがあります。そのため、犬の爪切りをするときは、爪の中の血管を傷つけないように切る必要があるのです。
爪の色は個体差があり、白、茶色、黒に大きくわかれます。爪の中の血管が見えにくいのは、断然黒色の爪です。
犬の爪には、地面に接していない5本目の爪・・・「狼爪(ろうそう)」があります。
「狼爪」は、いわゆる「犬の親指」で、犬の祖先である狼であったときの名残でないかと考えられています。狼爪は地面に接地しない高いところに生えているため普段の生活で削れることがありません。そのため、狼爪も、普通の爪と同様に切ってあげる必要があります。
ミニチュアダックスの前足の狼爪
■犬の爪を切らないとどうなる?
爪が伸びすぎると肉球が地面にしっかり接地しづらくなり歩きにくくなってしまいます。
人間と同じで爪を切らずに放っておくと以下のようなデメリットがあります。
■犬の爪切りに必要な道具は?
爪切り
犬の爪は人間用の爪切りではうまく切れないため、犬用の爪切りを用意します。
犬用の爪切りは、①ハサミ型 ②ギロチン型 ③ニッパー型の3種類あります。
どのタイプも長短がありますが、我が家では①ハサミ型を使っています。その理由は、ここで切りたいと思ったポイントで切りやすいからです。犬の爪は切り過ぎてしまうと血が出てしまうので、「ここで切りたい!」と思ったポイントで切りやすいことが大きなメリットにつながるのです。
それから、爪を薄くちょっとずつ切るのにもハサミ型がやりやすいと思っています。ただし、初心者の方は、②ギロチン型の方が、切るときの力が入れやすいかもしれません。
自分に合った使いやすいタイプ=切り損じしにくいタイプを選ぶことが重要です。
①我が家でも使っているハサミ型の爪切りです。
②ギロチン型の爪切りです。最近は、ギロチン型が使いやすく主流となっているようです。
③ニッパー型の爪切りです。ハサミ型と似ていますが、持ち手の部分がしっかり握れるような形状になっています。人によってはコチラの方が使いやすいようです。
爪ヤスリ
爪の切り口を削って滑らかにします。
爪ヤスリは、できるだけ先端部分が尖っていないモノを選ぶことをおすすめします。
爪を削る振動を抑えるように工夫された爪ヤスリです。V字の角度がついていて、わんこの爪を効率よく削ることができます。
止血剤を使わない理由
犬の爪を切りすぎて出血させてしまったときに使う「止血剤」というものがあります。
「止血剤」は爪切りで出血した部分に塗り付けて、出血を即座に止める効果のある薬剤です。
犬の爪には血管と並走するように神経も通っていて、爪からの出血には痛みもあると言われています。
そこで、「止血剤」を使っての止血をすることがすすめられたり、紹介されたりしています。
しかし、なにも止血剤を使わなくてもガーゼでしばらく押さえれば血は止まってくれるのです。
それから、止血剤は出血部分の組織を熱で焼いて血を止めるものであるため、ただでさえ出血で痛いところに、さらに熱で焼いては余計に痛いのです。
ということで、我が家では止血剤は使うのをやめました。
止血剤を使ってみる方が安心ということであれば、試しに使ってみて、わんこが嫌がったり、痛がる様子があったら、それ以上は使わないことをおすすめしています。
我が家では、第一に出血させないように爪切りをして、それでも出血してしまったときはガーゼで押さえて血を止める方法にしています。
■犬の爪切りのやり方
具体的な犬の爪切りのやり方は以下の通りです。
1.わんこに足を上げてもらう
体を支えて、わんこの足を上げさせます。まずは後ろ足から上げさせます。
後ろ足からやる理由は、わんこ自身の視界から外れて見えないので、わんこが気にせず怖がったりしないためです。
2.どこまで切ればいいか?血管の位置を見極める
足があがったら、すかさず血管の位置を確認します。光に透かすなどして、血管がどこにあるのかを確認します。透かすのは部屋の照明ではなく、日光で透かすとより分かりやすいです。
血管が見えたら、どこまで切っても大丈夫かデッドラインを見極めます。
犬の爪には白い爪と黒い爪があります。白い爪の場合は爪の中の血管が外からも透けて見えるのですが、黒い爪の場合は、あまり透けず見えにくいです。
そのため、黒い爪の場合は、日光に透かしてより慎重に見極める必要があります。
どうしても日光が部屋の中に入ってこないという場合は、明るめのライトで代用できます。
3.切ってみる
後ろ足が上がっている状態で、後ろ足の爪を切ります。
はじめての場合は、薄く角を取るように慎重に切り進めます。
そして、2.で見極めたデッドライン手前で切るのを止めます。
忘れがちな狼爪(ろうそう)も切ります。
4.ヤスリをかける
切ったらヤスリをかけて表面を滑らかにします。
ヤスリはやらなくてもいいのですが、余計な引っ掛かりをなくすために、なるべくヤスリをかけます。
5.褒める
1足終わったら、わんこをしっかり褒めましょう。おやつをあげたら、より一層喜ばれ、次の爪切りも協力してくれるはずです。