ミニチュアダックスの適正な体重がどれくらいかご存知でしょうか?
実は、「ミニチュアダックスフントだから適正な体重は何キロ」という値はありません。
そこで、家庭でもできるミニチュアダックスの適正な体重の求め方、おうちでの体重の計り方やボディコンディショニングスコア(BCS)という考え方を取り入れた体重管理の方法を解説いたします。
■ミニチュアダックスの適正な体重とは?
ダックス犬が血統書で『ミニチュアダックスフント』と分類されるためには、犬の体重は何kgになればよいかご存知でしょうか?
実は、日本では『ミニチュアダックス』の犬種に指定されるための基準は、体重ではなく胸囲の太さのみで分類されているのです。
ダックスフントは、胸囲の長さによって、スタンダード(大)、ミニチュア(中)、カニンヘン(小)の3つのバラエティーに分類されています。
日本で犬の品種の認定、犬種標準の指定を行っているジャパンケネルクラブ(JKC)の規定によると、日本においては体重ではなく、胸囲によりダックスのバラエティー分類が決められています。
JKCの規定は以下の通り
それぞれのおおよその体重は、スタンダードの体重が約9kg、ミニチュアが約4~5kg、カニンヘンが約3~4kg、となります。
スタンダード・ミニチュア・カニンヘンの分類は、生物学的な犬としての種類は同じで、成長後の個体それぞれの胸囲の大きさでスタンダード、ミニチュア、カニンヘンと分けているのです。
これを、たとえば、人間にたとえると同じ人間同士を身長180以上がスタンダード、160〜180がミニチュア、160以下がカニンヘンと分類している、というイメージでしょうか。
ちなみに、犬の胸囲の計り方は前足のすぐ後ろの胴体部をぐるっと一周して計ります。
■ミニチュアダックスの適正な体重の求め方は?
『ミニチュアダックスフント』と決められる際の規定は体重ではなく胸囲で決められています。
つまり、ミニチュアダックスフントと分類されるためには、この体重でなければならないという規定は存在しないのです。
しかも、生後15ヶ月で判定された場合であって、その後の成長によっては血統書はミニチュアだけど、胸囲は35cmを超えて実際はスタンダードであるケースもあり得るのです。
従って、ミニチュアダックスフントならばこの体重が適正だという適正値もありません。なぜなら、適正な体重はダックスそれぞれの個体により違うので、一概にミニチュアダックスフントなら適正体重は何キロなどと決められないからです。
ならば、適正な体重はどう考えれば良いのでしょうか?
犬の適正な体重を知るためには、ボディコンディショニングスコア(BCS)という考え方を取り入れると求めやすくなります。
ボディコンディショニングスコア(BCS)とは?
ボディコンディショニングスコア(BCS)とは、わんこの体型が太りすぎか痩せ気味かちょうど良いかを5段階で評価する方法です。体重増減が激しい乳用牛等の体の太りすぎか痩せ気味かを評価するための方法としても用いられています。
本来は専門的な知識を持つ獣医師に判断してもらいます。ですが、そのためだけに動物病院に行くのが難しい場合は一時的に自分でチェックすることもできます。
BCSは、要は犬の体つきを見たり触ってみて、適正な体重からどれだけかけ離れているのかを数値化したようなものです。
■BCSの評価値、判定材料となる体形、理想体重(%)は以下の通り。
BCS | 体形(肋骨、腰) | 理想体重 | |
1 | 痩せ | 肋骨、 腰椎、骨盤が外から容易に見える。 触っても脂肪が分からない。腰のくびれと 腹部の吊り上がりが顕著。 | 85%以下 |
2 | やや痩せ | 肋骨が容易に触る。上から見て腰のくび れは顕著で、腹部の吊り上がりも明瞭。 | 86~ 94% |
3 | 理想的 | 過剰な脂肪の沈着なしに、肋骨が触れる。 上から見て肋骨の後ろに腰のくびれが見 られる。横から見て腹部の吊り上がりが 見られる。 | 95~ 106% |
4 | やや肥満 | 脂肪の沈着はやや多いが、肋骨は触れる。 上から見て腰のくびれは見られるが、顕 著ではない。腹部の吊り上がりはやや見 られる。 | 107~ 122% |
5 | 肥満 | 厚い脂肪におおわれて肋骨が容易に触れ ない。腰椎や尾根部にも脂肪が沈着。腰 のくびれはないか、ほとんど見られない。 腹部の吊り上がりは見られないか、むし ろ垂れ下がっている。 | 123%以上 |
ボディコンディショニングスコアがわかったら現在の体重を計ってみます。ボディコンディショニングスコアと現在の体重を計ってみることで、適正体重が導き出せます。
では次に、家庭でもできる体重測定のやり方を見ていきましょう。
■ミニチュアダックスの体重測定のやり方
家庭での体重測定に必要なもの
デジタル式の体重計
アナログ式体重計でも計れないことはないですが、偏りによる誤差が気になるのと、針が止められないので検針がしづらいです。
そのため、どこに荷重をかけても計れ、計測後の値が自動的に止まって表示されるるデジタル式体重計がおすすめです。
デジタル式体重計とは、たとえば以下のようなものです。
犬の場合、厳密な体重管理のため10g単位で計測したい場合もあります。ただ、計測中じっとできないわんこを10g単位で正確に測るのは意外と難しいのです。計り自体の性能で、10g単位で正確に計れるものは少ないです。
そこで、50g単位ではありますが、安心の日本のメーカーの体重計をおすすめします。
体重測定のやり方
わんこに体重計に乗ってもらい、しばし「待て」をしてじっとしてもらいます。
体重計に乗ることが苦手なわんこの場合は、飼い主さんが抱っこして体重計に乗った重さから、飼い主さんだけの体重を引き算して求めるやり方もあります。
計測のタイミング的には、食事の前に計測します。食事の後で計測してしまうと、食べたごはんの量やごはんの時に飲んだ水の量などにより、体重の誤差が出やすくなってしまうためです。
現在の体重がわかり、ボディコンディショニングスコアが分かればおのずと目標となる適正体重がわかります。BCSが3なら、ちょうど今がベストな体重になります。BCSが4であれば今の1割少ない程度が適正体重になります。
BCSが3以外の場合は、太りすぎまたは痩せ気味になるので、食事の量を調整する必要があります。
■体重が太りすぎ、痩せ気味の場合
体重が太りすぎ、痩せ気味の場合は与える食事の量で体重をコントロールします。単純に太りすぎの場合はごはんの量を減らします。痩せ気味の場合は増やします。
どれくらいの量を増減させれせばいいのかというと、いきなりごはんの量を半分に減らすなどと極端な調整はやってはいけません。だいたい、ごはんの量の1割くらいを目安に増減して緩やかめに調整します。
例えば、ごはん1回に、30gのフードを食べている場合は、±3g程度を増減させます。