犬の耳掃除に綿棒を使うことは本当にNGか?

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犬の耳掃除に綿棒を使うのはNGなのでしょうか。

インターネットの多くの情報では綿棒を使って耳掃除をすることはNGとされています。

この記事ではダックスフンドの耳を例に、犬の耳掃除の必要性と自宅での耳掃除ケアの方法について解説しています。

■犬の耳の構造?汚れとは?

犬の耳の内側は、毛が生えておらず、皮膚の表面がむき出しになっており、形がでこぼこしています。
形が凸凹していて、皮脂汚れ(耳あか)が出るので、意外と汚れやすいのです。

構造的には人間と同じで、外耳、中耳、内耳の3つの部分に分かれています。人間の耳との大きな違いは、耳の穴から鼓膜までの外耳道の形状です。人間の耳は、耳の穴から鼓膜まで真っ直ぐな形状をしています。しかし、犬の外耳道の形状は、まっすぐではなく(※下図のような)L字型をしています。

そのため、耳の中に水が入ってしまうと水が抜けにくいので、蒸れやすくなってしまいます。蒸れていると雑菌が繁殖しやすくなり、耳のトラブルにつながる可能性があります。

■犬の耳掃除は必要なの?

野生動物たちは耳掃除はしない(できない)ので、本来犬の耳掃除も積極的にしなくてもよいケアではないか、という疑問があります。そもそも、犬の積極的な耳掃除は必要なケアなのでしょうか?

犬の耳が良好な状態であれば、耳内部の汚れが少しずつ移動しながら、耳の入口まで運ばれ排出されます。そのため、答えの1つは、個体差はありますが、必ずしも犬の耳掃除は必要ではありません。

耳掃除が必要な場合は、犬の耳あかが酷く目に付く場合や、耳の中がやや湿り気を帯びているような犬、過去に耳のトラブルを経験しているわんちゃん、等が挙げられます。

では、耳が汚いと犬はどうなってしまうのでしょうか。?

■耳が汚いと、どうなる?

痒い

耳の中が汚れていると、人間と同じで犬も痒みを感じるようです。

後ろ足で耳の辺りをかく仕草をしていたら、それは耳が汚れているのかもしれません。

それと、耳が痒い場合は、頭をパタパタと音を立てて振る仕草をする場合もあります。

愛犬の耳の中が汚れていないか確認してみましょう。

臭い

耳の中が汚いと臭いニオイも出てきます。

耳の穴の中の匂いを嗅いだときに、臭いニオイがしてきたら、耳の中の汚れが酷い場合があります。

■自宅でやる耳掃除のやり方

愛犬に耳掃除が必要な場合、自宅でもできる耳掃除の方法を解説します。

ガーゼを湿らせて耳の内側を拭く

我が家のミニチュアダックスフンドは、垂れ耳をめくった内側(耳介)の目に見えるところが薄黒く汚れてきます。

耳の内側、耳の穴周辺の目で見える範囲を対象として、ガーゼを湿らせて、やさしく汚れを拭き取ります。

ガーゼは我が家でのコチラのガーゼを使用しています。

綿棒を使うことの是非

耳の穴の奥は、指が入るところまではガーゼでできます。

しかし、人間の指では、犬の耳の奥までは届きません。そこで、綿棒を使えば指が届かない奥の方に届き、汚れを掻き出せるのではないか?という発想が生まれます。

実際に綿棒を使って、犬の耳の奥を掃除してみると、汚れは確かに取れます。しかし、以下の理由から綿棒を使うことは控えた方がよさそうです。

  • 綿棒を使って、耳の奥の汚れを掻き出すことはできない。
  • むしろ、耳の奥の方の汚れを掻き出そうとすると、逆に汚れを奥に押し込んでしまう可能性がある。
  • そもそも、耳の状態が健康であれば、綿棒を使って汚れを掻き出す必要はなく、自然と耳の外に排出される。
  • 病院での治療が必要なほど、耳あかが酷い状態では、綿棒を使ってもどうすることもできない。

獣医師はどうやって耳掃除をするの?

獣医さんが犬の耳掃除をする場合は、コッヘル鉗子と綿を使って掃除する場合が多いです。

コッヘル鉗子とは長細いハサミのような医療器具のことです。

綿に洗浄液をしみ込ませて、コッヘルでつまみ耳の奥に入れて出すことで中をきれいにします。

■耳掃除を自宅でやるときの注意点

犬の耳掃除を自宅で行う場合の注意点は以下の通りです。

  • 犬の耳の穴付近に汚れがなく、清潔でカラッとしていて、痒がる仕草もない場合は、耳掃除は必ずしも必要なことではありません。
  • 自宅で耳掃除をする場合は、人間の目で見える範囲だけをきれいにするだけで十分です。見えない耳の奥まで掃除をしようとしなくて大丈夫です。
  • 耳の穴に洗浄液を流し込んで揉む方法も、基本的に自宅では行う必要はありません。

■まとめ

  • 犬の耳の状態が健康であれば、積極的な耳掃除をする必要はありません。
  • 自宅の耳掃除で綿棒を使うことはやめておきましょう。
  • 自宅の耳掃除の方法は、耳の内側の見える範囲を湿ったガーゼで優しく汚れを拭き取ります。