犬はりんごを食べていいのでしょうか?答えは、犬はりんごを食べても大丈夫です。しかし、どうやってりんごを食べさせるのがベストなやり方かご存知でしょうか?ミニチュアダックスなどの小型犬に与えるときのおすすめの方法や注意点を解説します。
■犬にりんごは大丈夫?
犬に「りんご」を食べさせても大丈夫です。我が家の食物アレルギーを持つわんこでもりんごは大丈夫なので、食物アレルギーのあるわんこでも比較的りんごは食べられる部類だと思います。ただし、初めて食べさせるときにどうしても心配な場合は、食べさせる量をごく少量にして食べた後の様子に異変(嘔吐や下痢)がないかを確認するようにします。
■りんごの特長は?
りんごの代表的な成分には、βカロテン、カリウムを多く含み、栄養成分として、リンゴ酸やクエン酸などの有機酸、リンゴポリフェノールを含んでいます。
リンゴは皮を剥いて放置すると、変色してきます。リンゴの変色を防ぎたい場合には、皮を剥いたリンゴを塩水に浸けると変色しません。しかし、犬に食べさせる場合は塩分が余計になってしまうため、リンゴを塩水に浸すことはやらないようにします。
皮と実の間に栄養素が集まっています。なので、皮を剥くと栄養素の濃いところを削り取ってしまうことになります。
しかし、一方でりんごの皮には農薬が付着しており、皮ごと食べるのは危険なのではないかとの考えもあります。犬にりんごを食べさせるとき、りんごの皮をそのまま食べさせるべきか除去するべきかはどのように考えればよいでしょうか?
りんごの皮に付着した農薬は大丈夫?
実は日本での農薬の使用量の基準値は無視できるレベルに少ないのです。例えば、犬にあげるりんごの皮の量は、多めにみて1日1回で1gだと思います。これに含まれる農薬の量を計算してみます。
ある実験で「クレソキシムメチル」という農薬が、最大で0.36ppm検出されたというものがあります。これを1gの皮に含まれる「クレソキシムメチル」の重さに換算すると、0.00036mgになります。
(参考:福岡市の実験「リンゴの皮と実で残留農薬量を比べたら」)
一方、「クレソキシムメチル」という農薬は、ラットを使った実験で1日当たりの摂取許容量が、0.36mg/kg 体重とされています。なので、体重が4kgのわんこの1日当たりの「クレソキシムメチル」の摂取許容量は、0.36×4(kg)→1.44mgとなります。
(参考:農薬評価書 クレソキシムメチル)
従って、りんごの皮1gに含まれる「クレソキシムメチル」の量(重さ)は、摂取許容量のわずか、0.025%と計算されます。
いかにりんごの皮に含まれている農薬が極めて微量であることが分かると思います。
とは言っても、どんなに微量だとは言え農薬が含まれているものは気になって食べさせたくない、という方もいらっしゃるかもしれません。そういう場合は、無農薬で生産された有機リンゴを探すことになると思います。
もしくは、犬は本能的に危険なものは食べませんから、愛犬の嗅覚を信頼して、わんこに匂いを嗅いでみてもらいわんこ自身に食べるかやめると選んでもらうというやり方はいかがでしょうか。
ちなみに、我が家では時々、おやつとしてすりおろしりんご(有機リンゴではない普通のりんご)を食べさせていますが、りんごの農薬が原因と思われるような健康上の問題は出ていません。
■おすすめのりんごの与え方
ミニチュアダックスなどの口が小さい小型犬にりんごを与えるときは、すりおろして食べてもらうのがおすすめなやり方です。
もちろん、中型犬・大型犬にもおすすめなやり方です。
その理由は、すりおろした方がりんごの細胞壁が壊れ栄養素がより効率よく消化・吸収できることが期待できるからです。
さらに、すりおろしならば、小型犬の場合は丸のみして、喉に詰まる心配もありません。
りんごの種や芯の固い部分は与えません。皮は剥かないでそのまますりおろすのがおすすめです。
注意点は、りんごはすりおろすとどんどん酸化して変色が進みます。
なので、すりおろしたらすぐに全部食べさせるようにします。
■すりおろしリンゴの与え方
- りんごを適当な大きさにカットします。今回は、ミニチュアダックス6匹で、りんご1/4個をすりおろして食べます。
- すりおろし器ですりおろします。
- すぐに!
柄の長いスプーンを使って口に入れます。
『すりおろしりんご、おいしいワン!!』 - すりおろした時に出るりんご果汁も飲ませます。
■まとめ
- りんごを犬に食べさせても大丈夫です。
- 小型犬にりんごを与える場合は、皮ごとすりおろすのがおすすめです。
- すりおろしりんごは酸化により変色しやすいので、すぐに食べさせるようにします。